見て 驚いて 考える!アステン エネルギー見学会

発電の現場を見て、これからのエネルギーを考える。そんな視点で「アステン エネルギー見学会」が開催された。
案内役はSBSラジオパーソナリティーの長谷川玲子さん。太陽光発電所と原子力発電所を巡り、4人の女性参加者が長谷川さんとともにエネルギーについて率直に語り合った。

しっかり伝えたいから参加

エネルギー見学会に参加したのは、田中さん(高校生)、勝又さん(大学生)、石川さん(主婦)、吉村さん(主婦)。4人とも県内で暮らしている。
4人と長谷川さんが最初に向かったのは、清水港に隣接する巨大な太陽光発電所・メガソーラーしみず。東京ドーム3個分という広大な敷地に、縦約1.5m、横約1mの太陽光パネルが31,464枚も並んでいる。ここで発電できる電気は年間約840万kWh。一般家庭約2,300世帯が1年に使う電気を賄うことができる上に、地球温暖化の原因とされるCO2を発電時に排出しない。まさにクリーンエネルギーの代名詞だ。ただし、天候によって発電量は大きく変化し、夜間は発電できない。また多くの電気を作るには広大な敷地が必要となる。

  • 約14万㎡という敷地面積を誇るメガソーラーしみず
    約14万㎡という敷地面積を誇るメガソーラーしみず
  • ミニサイズの太陽光パネルで発電を実感する参加者
    ミニサイズの太陽光パネルで発電を実感する参加者。日差しを少しでも遮ると発電量がガクンと下がる
  • 広大な敷地にぎっしりと敷かれた太陽光パネルに圧倒
    広大な敷地にぎっしりと敷かれた太陽光パネルに圧倒された

海抜22mの防波壁に圧倒される

その後、一行は御前崎市にある浜岡原子力館へ移動。浜岡原子力発電所の施設概要や安全性向上対策などを約1時間にわたって学んでから、今回は特別に原子力発電所の構内へ。
最初に見学したのは海抜22〜24mの改良盛土と海抜22mの防波壁。最大クラスの巨大津波に対しても敷地内への浸水を防ぐという構造とスケールは見る者を圧倒。参加者も一様に「すごい」と感嘆の声を上げていた。
浜岡原子力発電所では万一津波が防波壁を越えた場合や重大事故が発生した場合も想定し対策が練られている。それらを確認するために5人は、原子炉建屋内への浸水を防ぐ厚さ1mもある「強化扉」、海水が取水槽から敷地内にあふれることを防ぐ「溢水(いっすい)防止壁」、海抜25〜40mの高台に設けられた「ガスタービン発電機」、「緊急時淡水貯水槽」、非常用の「電源車とポンプ車」などを次々に見学。発電所の安全性を向上させる対策の数々に参加者は目を見張っていた。

  • 実物大原子炉模型の前でスタッフの説明に聞き入る参加者
    実物大原子炉模型の前でスタッフの説明に聞き入る参加者。原子力館は一般の人でも自由に見学できる。入館無料
  • 海抜22mの防波壁
    海抜22mの防波壁の前で。壁の基礎は地中30mにまで達している部分もあると聞いてさらにびっくり

案内役の長谷川玲子さんと4人の参加者が、エネルギー見学会の締めくくりに 意見交換した。

原子力発電の印象は変わった?
エネルギーについて語り合う長谷川さんと参加者。この様子はSBSラジオでも放送された

エネルギー見学会は驚きの連続

長谷川
今日の感想を聞かせてください。
田中
原子力発電所といえば、福島第一原子力発電所の事故を思い出してしまいますが、今日の見学で不安が少し軽くなりました。
長谷川
それはなぜ?
田中
浜岡原子力発電所の安全性向上対策が、これほど進んでいるとは思わなかったから。
吉村
私も防波壁の高さと大きさに驚きました。まさに百聞は一見にしかず。これなら大丈夫かもと感じたほどです。
石川
働いている人の多さにもびっくりしました。今、浜岡原子力発電所は止まっているので、もっと少ないと思っていました。
勝又
約4,500人(工事関係者も含む)と言っていましたね。多くの人たちによって安全が守られていることが分かりました。
長谷川
私は浜岡原子力発電所の中を見学したのは今回で3回目ですが、来るたびに新しい対策に取り組んでいます。もう完了だろうと思っても、次に来るとまた取り組んででいる。その姿勢にいつも驚いています。

考える前に、見てほしい

長谷川
太陽光発電と原子力発電の両方を見て感じたことは?
石川
地球温暖化やCO2のことを考えれば、太陽光発電をもっと進めてほしいですね。でも、太陽光発電には弱点もあるので、現実的には火力や原子力も含めて、さまざまな電源をバランス良く組み合わせることが大切だと思います。
勝又
浜岡原子力発電所の5号機は、メガソーラーしみずが1年でつくる電気を7時間で発電できると聞くと、両者には一長一短がありますね。
吉村
子どもたちの将来を思えば、多少コストが高くなってもクリーンなエネルギーをもっと使うべきだと私は思います。原子力発電の「良い・悪い」については、まだ分からないことが多いですね。
田中
私も原子力発電が良いのか、悪いのか分かりません。でも、CO2を大量に出す火力発電に頼るには限界があると思います。
勝又
原子力発電に悪い印象を持っている人は多いと思います。ただ、私はそういう人にこそ、今回のように自分の目で実際に見てほしいと思いました。

見学会に参加して変わったこと

長谷川
今日、自分の中で変わったことはありますか?
石川
原子力発電を漠然と恐れることはなくなりました。ただ、やっぱり怖い面もあります。
吉村
これだけの安全性向上対策を見ると、逆に「そんなに原子力って危険なの?」という思いも募ってきます。
田中
私は不安が減りました。メディアの情報だけでは判断できなかったので、実際に見て良かったと思います。CO2の問題を改めて感じたことも私の中で大きな変化です。
勝又
私も見て良かったです。環境に優しいエネルギーでCO2を減らす努力が必要だと思いました。
石川
これまで考えてこなかったことを考えるきっかけになりました。
長谷川
考えていなかったことを考えるようになった、というのは大きな変化ですね。今回の見学会がエネルギー問題を考える契機になったのなら、私もうれしいです。これからもっと、みんなで考えていきましょう。
  • 案内役
  • SBSラジオのパーソナリティー・長谷川玲子さん
    SBSラジオのパーソナリティー・長谷川玲子さん。優しい笑顔でトークセッションを盛り上げた
  • 参加者
  • 田中さん
    田中さん
    電気と聞けばスマホの充電を連想する高校1年生
  • 勝又さん
    勝又さん
    今回の見学で疑問がいっぱい解けたと語る大学生
  • 石川さん
    石川さん
    子どもにエネルギーの大切さを理解してほしいと願う主婦
  • 吉村さん
    吉村さん
    次代を担うクリーンエネルギーに関心を持つ主婦
取材協力/中部電力 問い合わせ ☎054-273-9004