特集 | 2016.9月号

アステン特集

白雪肌と7つの習慣

肌はおしゃべり。そして正直。きちんとした暮らしのその先に、きっと「きれいな肌」が待っている。

皮膚科の先生に聞いた、肌にいいこと、いけないこと。

 朝起きて、顔を洗い、鏡をのぞく。そんな時、肌の調子がいいと、自然と心が軽やかになる。逆に小さなシミを発見した日は、途端にどんより落ち込んだり。女性にとって肌は、一生着回す大切なドレスみたいなものだ。きちんとメンテナンスをして、きれいな状態をキープするために、私たちはどんなことを心掛けたらいいのだろう。女性の肌トラブルの頼もしい味方、スキンケアクリニック(静岡市葵区)院長の皮膚科医、平野温子先生に「きれいな肌」のために良い習慣、避けた方がいい習慣について聞いてみた。
 「きれいな肌とは、14日間かけて出来上がり、14日かけてまた剝がれていくという肌のターンオーバー、表皮の代謝が順調にできている健康な肌のことです。ただ28日というのはあくまで標準的な数字で、加齢によって周期はだんだん長くなっていきます。このサイクルが乱れると、シミやくすみなどのトラブルにつながっていくのですね。とはいえ悩み過ぎは禁物。食生活に気を配り、適度な運動をし、毎日楽しく健康に過ごすことを心掛ければ肌の調子は整っていきますよ」
 先生ご自身も、刺激物やカフェインを取り過ぎないなど注意はしているが、ランチには毎日、大好きなお肉料理、休日は多少の紫外線は気にせず趣味のゴルフを楽しんでいる。高校3年の息子さんがいらっしゃるとは思えないエイジレス美肌は、そんな充実した日々のたまものだ。
 平野先生が患者さんと接していて気になるのは、◯◯し過ぎの人が多いこと。ゴシゴシ洗い過ぎ、自己流マッサージのし過ぎなどの過度なお手入れから、吹き出物等を気にして触り過ぎ、かえって悪化させてしまうなど。
 「最近は個人輸入による海外の美顔器や化粧品によるトラブルも気になります。今はインターネットで簡単に手に入る時代ですが、日本の厚生労働省の認可が下りていないものを安易に使用するのはあまりお勧めしません。欧米人に効果があるからといって私たちに安全とは限りませんから」
 実際にここ数年、トラブルでクリニックに駆け込んでくる女性たちが急増しているという。
 「お肌のことで迷ったら自己判断しないで、遠慮なく医師に相談してください」
 高価なコスメを使うより、お肌のかかりつけ医を持つことが、美肌生活への近道かもしれない。

究極のゴールは、「生きものとして美しい人」。

 「治療家として、困っている人を助ける、町の赤ひげ先生になりたかったんですよ」と笑うのは、プロ格闘家を引退後、柔道整復師として今年、はな整骨院(静岡市駿河区)をオープンした花井岳史さん。治療だけでなく、学んだ武術や経験に基づく独自のハナイ式ダイエットを考案。プロのアスリートや舞台俳優への身体のケア、サポートも行っている。
 「大切なのは代謝を上げていくこと。代謝が良くなれば、肌も若々しく、きれいになっていきます」
 花井さんが提唱するのは、日々の生活で、運動、栄養(食事)、水分、メンタル、生活習慣の5つのバランスを意識すること。週5日、30~45分程度歩く。鶏肉などの動物性タンパク質、緑黄色野菜、炭水化物を過不足なく食べる。ミネラルウオーターを1日2ℓ飲む。寝る前や食事と食事の間は3時間以上空ける。そんな風に生活を緩やかにコントロールすることで、代謝が上がり、身体は生き生きと美しく変化していくという。
 「メンタルも重要です。気持ちがネガティブだと代謝は落ちます。生活を変えようというポジティブな気持ちが代謝を上げていくんですね。実は身体のためには、人の悪口も言わない方がいいんですよ」
 脳がネガティブな言葉に反応し、自分に言われたと勘違いしてしまうとか。歩き方、座る姿勢、肌。身体の目に見える部分の美しさと、内臓や骨、メンタルなど見えない部分の健やかさは、草花と根のように表裏一体だ。
 「身体のために小さな努力を続けることができる人は、シンプルに、生きものとして美しいと思います」
 私たちの肌は、私たちの日々の暮らしの履歴書だ。

新潟の採れたて野菜が育んだ、つるん、むきたて卵肌。

 船山裕美さんは25歳。この夏、結婚のため故郷の新潟県新発田市から彼の待つ静岡市葵区に移り住んだ。「新潟美人」という言葉がよく似合う、まろやかな白い肌は、幸せが内側から輝いているよう。これまで肌のトラブルはまったく無いように思えるが。
 「東京の大学を卒業して新潟に戻り、就職して1年半くらいたったころ、すごく肌が荒れてしまったんですよ」
 就職先は介護用具レンタルの営業。新人から一人前の営業ウーマンとして活躍し始めたころ、しつこい吹き出物に悩まされたそう。
 「一人暮らしで食事も不規則になってしまったんですね。昼食の時間がとれなくて、コンビニで買ったおにぎりを車の中で食べて終わりという日もありました」
 幸い肌荒れは治まったが、裕美さんはこれを機に食の大切さを実感した。
 「実家は農家ではないんですが田畑があり、子どものころからずっと父の作った新鮮な野菜を食べて育ちました。大人になった今、自分は恵まれていたんだなぁと感謝しています」
 スタートしたばかりの結婚生活。新居の冷蔵庫では今、新潟のお父さんの作った野菜と、お母さんから譲り受けた菌で作ったカスピ海ヨーグルトが、裕美さんのきれいな肌を支えている。

エイジレス肌が語るのは、人生と向き合う姿の潔さ。

 静岡市清水区の自宅でフット&リンパセラピー「ぽかりな」を営業する石川美土理さんは、今年50歳。洗いたてのホワイトリネンが似合う少女のようなみずみずしさと、自立した大人の落ち着きが同居するすてきな女性だ。
 20代のカナダ生活、30代の北海道でのホテル勤務、家業の手伝い、母の看護、40代で中医学の勉強、フット&リンパセラピストとして独立、父の看護とさまざまな経験を経てきた美土理さん。多忙な中、自身がサロンでのボディメンテナンスで癒やされてきたように、今度は自分のお客さんから「ここに来るのが私のごほうびなの」と言ってもらえるのが何より幸せだ。
 今の美土理さんの元気の源は、ビタミンCのサプリと糀で作る甘酒、そして疲れをためないこと。ちょっとした時間に自分でストレッチや足裏マッサージをしたり、仕事の合間に短いお昼寝をしたりすることも。ストレスへの対処も、何となく自分でできるようようになった。
 「家の事情や仕事で、自分の時間なんてまったく無い時もあったけれど、それを嫌だとかつらいと思わずに、そういう状況を受け入れてしまうんです。悩んでいても状況は変わらないですものね」
 流されず。あらがわず。でもしっかりと前を向いて。美土理さんの透明感あふれるエイジレス肌は、彼女自身の凛としたライフスタイルを物語っている。

THE 7 HABITS OF BEAUTIFUL PEOPLE

1.歩く
2.水を飲む
3.お酒や甘いものは、食事ではなく「ごほうび」と考える
4.肉、野菜、炭水化物をバランスよく食べる
5.食後3時間以上空けてから、清潔なシーツでぐっすり眠る
6.悪口、愚痴は控えめに
7.ストレスはいったんドーンと受け止める