asten PEOPLE | 2016.12月号
セロ
マジシャン
人懐こい笑顔とトークで和ませつつ、絵の中から物を取り出したり、時間を操ったり…。テレビ番組でまさに「アメイジング!」なマジックを披露し楽しませてくれているセロさんが1月29日、ホテルセンチュリー静岡(静岡市駿河区)でディナーショーを行うという。一体どんなライブなのか、直撃インタビュー!

"マジシャンとして人を驚かせるのは当然。僕は感動的な魔法の旅に連れていきたい。"
Q.静岡でのショーは10年ぶりとお聞きしました。前回来た時のことは覚えていますか?
反応が良くてすごく楽しいライブだった思い出があります。昔、ツアーで回っていた時にも、静岡には楽しい人たちがいて、食べ物がおいしい、という印象がありました。前回はあまり時間がなかったので、今度はゆっくりできたらいいなと思っています。
Q.テレビ番組とライブショーではどのような違いがありますか?
テレビ番組で作り上げるマジックは番組の構成を考えているので1シーンが3分から5分で終わってしまうことが多いんですね。ディナーショーのようなライブでは1時間ずっとお客さんと過ごせる、僕だけの時間です。舞台は僕の遊び場で、そこに友達が遊びに来て一緒に楽しいひと時を過ごす、そんな特別なものだと考えています。
Q.お客さまにはどんな風に楽しんでほしいと思っていますか?
マジックに対する考え方は人それぞれです。でも、「どうやっているのか見破ってやろう」という気持ちで見る人は、僕のショーは合っていないんじゃないかなと思います。僕のマジックは人間関係が大事。マジックに意味やメッセージを込め、1時間は現実を忘れて夢の世界を楽しんでほしいという思いで構成をしています。
Q.今回のライブのコンセプトは。
「NO MAGIC, NO LIFE.」。誰にでもマジック、つまり魔法は存在しているんですが、現実社会でそれを忘れてしまっている。僕がその魔法を呼び覚ます、というコンセプトです。
Q.セロさんとマジックとの出合いはいつ、どのようなものでしたか?
6歳の時にラスベガスに連れていってもらい、レビューショーを見ました。歌手が出てきたり、ジャグラーが出てきたり、ショーガールがでてきたり。その中で、不思議な男の人が出てきてマジックをやったんです。たちまちのうちにその世界にあこがれてしまいました。マジックは「手品」という言葉に置き換えられることが多いのですが、その時の僕にとってのマジックは「手品」ではなくて「魔法」そのものでした。「僕もあんな魔法を使ってみたい」と、ホテルの部屋に戻ってからコーヒーカップを浮かせたいと手をかざしたり、ハトを出したいと念じてみたりしましたよ。
Q.子どもの頃に受けた驚きをみんなにも届けたい...という思いが原動力ですか?
マジシャンとして人を驚かせるのは当然だと思っています。ただびっくりするだけでは感動はしません。メッセージやストーリーを感じて、皆さんに魔法の旅をしてほしい。マジックを勉強するようになってすぐにマジックはイリュージョン(錯覚)だということが分かったのですが、ずっと「魔法」の気持ちは忘れていません。
Q.今、新たに挑戦中のマジックがあったらこっそり教えていただけますか?
アーティストとして常に新しいことを、と考えていて、今はハリー・フーディーニという伝説のマジシャンを最も有名にした脱出術にチャレンジしています。トレーニングをしているので、実は服の下はあざだらけ。けっこう危険な技なんです。
Q.静岡の皆さんにメッセージをお願いします。
僕のマジックはこの10年の間にかなりパワーアップしました。久しぶりにお会いできるのを楽しみにしています!

PROFILE
1973年、米カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。15歳にしてハリウッドにある奇術専門の会員制クラブ「マジック・キャッスル」のジュニアメンバーとなる。ストリートマジックの先駆者として日本を本拠地に数多くのテレビ番組に出演するとともに、各国でライブツアーも行っている。