asten PEOPLE | 2022.2月号

asten PEOPLE

木村 弓

歌手・作曲家

「千と千尋の神隠し」の主題歌で知られる「いつも何度でも」を作曲し、心に沁(し)み入る優しい歌声を響かせる木村弓さん。3月の来静が決まり、「生で歌と演奏をお届けできてうれしい」と語りました。

歌とは「祈り」声を支える竪琴

Q.音楽の道を志したきっかけは何でしょうか?

高校1年でアメリカに留学、卒業後に進んだ州立大学でピアノを専攻したことがきっかけになったかと思います。今考えると、ずいぶんいい加減でした(笑)。興味があった声楽の授業を受けているうちに歌の方が向いているのではないかと気付き、大学4年を終えて帰国後、歌を本格的に勉強し始めました。

Q.ライアー(竪琴)との出合いを教えてください。

体調を崩してレパートリーが歌えなくなってしまった頃、友人に招かれたコンサートでライアーの合奏曲があり、初めて存在を知りました。膝の上に置いて演奏しながら歌える竪琴のような楽器があれば... とイメージしていた楽器が見つかってうれしくなり、すぐに購入しました。心にスーッと入って来る繊細な優しい音で、当時の私の声のサポートとして演奏するにはちょうどいいと思い、弾き語りをするようになりました。

Q.「いつも何度でも」はどんな思いで作曲しましたか。

宮崎駿監督の「もののけ姫」を見て感動し、どうしても手紙を書きたくなって送りました。返信には当時、宮崎さんが進めていた「煙突描きのリン」の企画や、状況は深刻でもそれを上まわる生命の輝きを持つ主人公を誕生させられたらと願っていることが書かれていました。「いつも何度でも」は被災したばかりの町の厳しい状況の中でも、一生懸命生きようとする主人公の少女が自分を励ますために口ずさむ歌というイメージで作りました。

Q.木村さんにとって歌とは?

日常ではなかなか味わえない、心の深いところにある輝くような気持ち、感情を呼び起こしてくれるのが歌や音楽ではないかと感じています。気持ちが整い、元気になれるようにも思います。聴いてくださる皆さんにとってもそうであればといつも願っています。私にとっては「祈り」のようなものかもしれません。

Q.静岡の印象は。

3年ほど前に日本平で行われたヴィオラ奏者、原麻理子さんの結婚披露宴でのライブで、ウイーン少年合唱団の3人と一緒に歌った時に見た富士山は忘れられません。ほかにも、静岡に住む友人からいただく新鮮なシラスや深蒸し茶は美味しくて大好きです。実は私の母方の祖父母が昔、清水でお茶屋さんを経営していたことがあると聞き、静岡市は一度ゆっくり散策してみたいと思う街の一つなんです。

PROFILE

きむら・ゆみ 大阪府出身。日本レコード大賞金賞、日本アカデミー賞主題歌賞など受賞。ライアーの弾き語りにとどまらず、多彩な形態でコンサート活動を続けている。※木村さんが演奏する「しずぎん・ユーフォニア・コンサート」は3月1日、静岡市葵区のしずぎんホールユーフォニアで。チケット問い合わせは静岡新聞社・静岡放送事業部<電054(281)9010>(平日9:00~17:00)へ。

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