asten PEOPLE | 2018.11月号

asten PEOPLE

山田裕貴

俳優

映画「あの頃、君を追いかけた」が好評上映中。純粋さゆえに愚かな行いをしてしまいがちな主役の浩介を、リアルな存在として感じたのは山田裕貴さんの演技の力。映画にかけた思いを通して、山田さんの素顔に迫った。気になる「あのCM」についてもインタビュー!

"自分がいることで世界を変える。言葉は壮大だけど、実は簡単なこと。"

Q.オリジナル版は大ヒットした2011年の台湾映画です。

ベスト3に入るだろうというくらい好きな映画です。めちゃくちゃ面白かったし泣きました。どの恋愛映画や青春映画とも違う。壁ドンもないし(笑)。その違いは、男の子の思春期をきれいごとでなく描いているところにあるのだと思います。かっこよくないのがかっこよかった。映画業界の中でもファンが多い作品です。

Q.浩介のキャラクターについてどうとらえましたか?

僕自身、小中高いじられキャラで、自分の「あの頃」を思い出しながら演じられました。浩介ってどの場面を見ても「惜しい」感じがするんですよね。「自分がいることで少しだけ世界を変えられるような人間になりたい」という浩介の思いは、特に自分に共通するものを感じました。言葉にすると壮大に聞こえるかもしれないけど、やろうと思えばできるんですよ。「この現場を少しでも楽しくしたい」と思って、みんなが「楽しかった」と言ってくれたら、それは僕が少しだけみんなの世界を変えられたということ。そんなことをシンプルにとらえて、口に出して言える浩介はすてきだなと思います。

Q.高校時代から社会人までの10年を演じました。

高校生を演じる時、2ギア3ギア上げて臨むことで、社会人になった時の違いが表せたかなと思います。ちょうど自分が10年後の浩介の年齢。落ち着いてきた部分であったり、思考が深くなってきたりといった部分は自分の中から掘り出して演じました。

Q.「あの時こうしていたら今頃...」と過去を思い返すことは誰にでもあって、そこがこの映画が共感を呼ぶポイントとも思います。山田さんご自身の過去と現在は?

浩介は生きるのが下手くそですよね。そこは自分の方が素直かなと思います。でも、10年前の僕は10年前の浩介と同じように不器用だったかもしれない。プロ野球選手の父親(現・広島二軍コーチ山田和利さん)がいて自分も野球をやっていたこともあって、少年時代は人の目ばかり気にして押し殺しているような感覚がずっとありました。多少わがままを言ったり人に甘えたりしてもやりたいことができている、というのが自分らしさなのであれば、今やっとそう思えています。

Q.ヒロインの齋藤飛鳥さん(乃木坂46)はじめ、勢いある若手俳優さんたちとの共演。主役ということで意識したことはありますか?

これまでいろいろなタイプの方が主演する現場に立たせていただいてきたので、そういった方たちがされていた良い部分を試せる機会になりました。この作品に出て良かった、芝居をやって良かった、と少しでも感じてもらえたらと思い、慣れ合いはいけないというけど、慣れ合えない・楽しめないよりは、それぞれが自分を出し切れて報われる映画にしたいという思いで臨みました。撮影終わりの日はそれぞれの台本に寄せ書きをしました。そんな現場はそうないと思います。

Q.山田さんといえば静岡新聞社・静岡放送の2016年度CM「超ドS静岡兄弟編」に弟役で出演されました。

CMの仕事は初めてでした。楽しかった。撮影は淡々と進んだので、出来上がりを見た時には笑いました。すごい賞(ギャラクシー賞CM部門大賞)をもらったんですよね。うれしかったです。でも東京では流れないので反響が分からなかったんです。もっと実感したかった!

PROFILE

やまだ・ゆうき 1990年9月18日、愛知県生まれ。2011年に俳優デビュー。17年は12作の映画が公開され、近作では、「あゝ、荒野」、「万引き家族」などに出演。19年NHK朝の連続テレビ小説への出演が決定している。ワタナベエンターテインメント所属。