asten PEOPLE | 2020.5月号

asten PEOPLE

草間雅子

美的収納プランナー

「美的収納プランナー」として活躍する草間雅子さん(静岡市在住)が、静岡新聞社から3月末に4冊目となる著書「美しい身じまい」を出版した。快適な住まいへの憧れはあっても、忙しい現代人はなかなか片付けに手を出しにくいもの。新型コロナウイルスの影響により在宅勤務や外出自粛で家にいる時間が増え、「今こそ美的収納をする機会」と語りました。

"『美的収納』は生き生きと輝く人生の一助 丁寧に自分へ問いかけ、価値観知って"

Q.「美的収納」という言葉がとても印象的です。

2003年ごろから、依頼のあった家庭に出向いて片付けをし始めました。あるとき、お客さまから「普通の収納じゃないね。家がきれいになって、過ごしやすくなるし、美的収納ですね」と言われたんです。片付けを通して人が生き生きと輝くことにつながる。そんな思いも込めて「美的収納」というネーミングを採用しました。

Q.さまざまな片付け方がメディアで紹介され、注目を集める中、美的収納の特徴は何でしょうか。

モノと向き合う深さだと思います。全く知らないお客さまの家に出向き、片付けをするに当たって、何を、どれだけ持っているかを知ることが第一。その後、①使っているもの②好きなもの③いらないもの④迷っているものに分類します。①~③の理由を聞くと、④の迷っている理由がみえてきます。迷う理由を突き詰めることは、自分の価値観を知ることなんです。なぜ大切に思うのか、何が好きなのか。なぜ使わなくなったのか。自分に丁寧に問うことで価値観に気付きます。そこが分かっていないと、買っては捨てるを繰り返してしまい、根本的な解決にならないのです。

Q.美的収納を始めたきっかけは。

幼いころから収納に関心がありました。「人生ゲーム」で遊ぶことはもちろんですが、遊んだ後に片付けをするのが楽しみでした。両親がきれい好きだったこともあります。大学を卒業して会社員になり、効率よく働くために、例えば資料室や給湯室などを使いやすく整えていました。呼吸するように片付けをしていて「片付けが異常に好きなんだ」と気付いたんです(笑)。

Q.新著は40代以降の世代に響く内容になっています。どんな思いがあるのでしょうか。

身じまいとは、身なりを整えることです。美的収納を通して残りの人生を美しく歩んでもらいたいと思っています。私自身、40代までは平日は夜中まで働いて、休日はぐったり。遊びたいし、旅行もしたいしと好奇心旺盛で、とにかく時間が足りませんでした。年齢を重ねて思うように体が動かず、予定がこなせないことも増え、時間の管理がますます必要になりました。また、40歳で親しい友人を亡くした時、彼女の分まで残された人生でやりたいことはやり尽くしたい、後悔したくないと強く思ったのも大きかったです。

Q.新型コロナウイルスの影響で生活の変化を余儀なくされています。どのように過ごしていますか。

仕事のこと、家族のこと、お金のこと、これからの時間の使い方・・・、いろいろ考えました。「自分を観(み)る」のと同時に、美的収納のいい機会になると思います。マスク、トイレットペーパーなどが店頭で品薄になっています。私は普段のストックより一つだけ多く、を目安にしています。自分が何を、どれだけ持っているか知っているので家の中にあるもので足りることが分かり、過剰に買うことはありません。それは周囲の人を思いやること、地球資源を大切にすること。自ら行動することで周囲に波及していくのでは、と思っています。

PROFILE

1968年生まれ。茨城県日立市出身。経験を体系化し、美的収納プランナーとして2003年から活動を始める。住宅、オフィス、店舗などへの収納サービスを提供するほか、家の新築、リフォームなどにまつわる収納プランニング、住宅メーカーの商品開発、人材育成にも携わる。13年、一般社団法人美的収納プランナー協会を設立した。