asten PEOPLE | 2023.2月号
松本潤
俳優・歌手・タレント
放送中の大河ドラマ「どうする家康」で、誰もが知る歴史上の人物「徳川家康」を演じる松本潤さん。これまで数多くの作品に出演し、コミカルな演技からクールでシリアスな演技まで幅広くこなしてきまし た。頼りない家康が自分の力で未来を切り開いていく姿が描かれる「どうする家康」では、新しい視点での家康を演じます。
初の大河ドラマで家康好演「人間くささ、演じて面白い」
Q.初出演で主演となる大河ドラマ。オファーをもらった時の気持ちを教えてください。
「新しいことに挑戦したいと考えていた時期のオファーでした。最初は『何で僕？ しかも家康？』という驚きがあり、すぐには決断ができませんでした。出演依頼を受ける前の家康像は、多分世間の皆さんと同じ『たぬきおやじ』でしたが、古沢良太さんの脚本を読んで印象が『素直でチャーミングな人』に一変しました。家康の駄目なところが人間くさく描かれ、演じていて面白いです」
Q.家康にゆかりのある場所には行きましたか？
「たくさん行きました。静岡県では、最初に参拝したのが久能山東照宮（静岡市駿河区）です。あの高い所にあれだけの立派な社を建てるとは・・・。家康のすごさを感じました。駿府城公園（同市葵区）や元城町東照宮（浜松市中区）なども行きました」
Q.以前から静岡との関わりはありましたか？
「僕の高校の同級生が静岡出身です（笑）。浜松市出身のジャズピアニストの上原ひろみさんも友人です。ロケでは地元の方の協力で地の物を食べたり、ウナギやミカンなどの静岡名物も食べたりしました。どれもおいしかったですが、やっぱりウナギは最高ですね」
Q.家康の好きなところ、共感するところはありますか？
「なかなか成長しないところが好きですね。家康のようにエピソードが豊富な人物を描くとすぐに成長することが多いですが、人間はすぐには成長しません（笑）。今回の作品の家康は、臆病で戦が嫌いで家臣の前で弱音も吐きます。でもそんな家康を見て、周りが『仕方ないな』と思ったり、『手を貸してやらないといけないな』と思ったり。そういうところが好きです」
Q.印象に残っているシーン、セリフは何ですか？
「選択をするシーンです。戦国時代は常に究極の選択を迫られ続ける時代です。選択次第で自分自身だけでなく、家臣も生きるか死ぬかが決まります。あらゆる選択の場面で使う『どうしたらいい？』をどんなテンションで言うかにこだわっているので、年齢や資産など変わりゆく部分もある家康がどんなふうに、どんな選択をして成長するのか楽しんでほしいです」
Q.松本さんが思う「大河ドラマ」とは何でしょうか？
「大河ドラマはストーリーが面白いことはもちろん、町おこしに近い気がします。ロケで足を運ぶと、大河ドラマをきっかけに町に訪れる人のためにどんなふうに町をアピールするか、地元のスターをより多くの人に広めるにはどうしたらいいかなど、町おこしのために頑張る空気を感じました。自分が演じることで町に良い循環が生まれたらいいなと思います」
Q.同じジャニーズ事務所に所属する俳優の岡田准一さんも、織田信長役で出演していますね。
「岡田君はV6時代にバックで踊らせていただきましたし、尊敬する直属の先輩です。作中の家康と信長の関係のように、僕にとって岡田君は頭が上がらない存在です。そんな先輩と同じ作品に、しかも信長と家康という関係性で出演させてもらえるのは光栄なことだと思っています。岡田君は大河ドラマの主演も経験されていますし、現場が今どういう状況なのか、どんな工夫をするとこのシーンがさらに面白くなるのかなど、ご自身の役についてだけでなく作品全体を見て動かれています。芝居はもちろん、現場での立ち振る舞いにも刺激をもらっています」
Q.静岡のファンにメッセージをお願いします。
「家康のゆかりの地である静岡県には何度も訪れたので、静岡の皆さんは近しい感じがします（笑）。皆さんの地元の大スターである家康を精いっぱい演じるので、作品を楽しんでいただければと思います」
PROFILE
1983年生まれ、東京都出身。96年ジャニーズ事務所入り。99年、アイドルグループ「嵐」としてシングル「A・RA・SHI」でデビュー。「花より男子」「99．9－刑事専門弁護士－」シリーズなど、多数のドラマや映画に幅広く出演。
