asten PEOPLE | 2021.10月号

asten PEOPLE

三浦一馬

バンドネオン奏者

独特の形状から切ない音色が生まれるバンドネオン。10月31日に静岡市清水文化会館マリナートで「三浦一馬 the Trio 石田泰尚*山中惇史」が開かれる。バンドネオン奏者として注目を集める三浦一馬さんに魅力を聞いた。

"音は呼吸そのもの 人生にナビはない"

Q.10歳でバンドネオンを始めたきっかけは何ですか?

ピアニストの両親と暮らしたイタリアから帰国後、テレビ番組で偶然バンドネオン特集を見ました。見たことも聞いたこともない楽器に興味津々で急いで録画しました。半年後にバンドネオン奏者の方のコンサートに押しかけ、その後のサイン会で弟子入りを志願してレッスンを受けられるようになりました。ボタンはドレミの順番で並んでいないのですが、ゲーム感覚で取り組んだら演奏できるようになり、楽しくてたまらなかったですね。

Q.バンドネオン奏者になろうと決めたのはいつですか。

中学3年から高校生になるころですね。コンサートや地元合唱団の前座をするなど既に場数を踏んでいたので、このまま行けたらと思うようになりました。高校1年の時、「プロデビューコンサート」と銘打って開催しました。それが転機となったのか道が開けていきました。

Q.バンドネオンの魅力は?

ここまで自分の気持ちそのものを楽器と一体となって奏でられるものはないのでは? 楽器と密着し、呼吸とリンクして演奏するから、自分で言うのもなんですが、うまく演奏できた時の神がかった感じはものすごい。自分の音を持ちたいと思っています。

Q.静岡市で行われるコンサートはトリオで臨みますね。

キンテート(五重奏)での演奏が多いのですが、核になるのはピアノとバイオリンという気がします。バンドネオンの金属的、管楽器的な音と弦楽器の音色、それを包み込むピアノ...オーケストラのような響きです。今回組むバイオリンの石田さん(「石田組」組長)は僕が高校2年の時、神奈川フィルでオーケストラデビューしたときのコンサートマスターだったんです! ピアノの山中さんは仙台クラシックフェスティバルで意気投合して以来のご縁です。この3人で舞台に立つのは初めてで、生誕100年のピアソラの楽曲をお客さまに聞いてもらえるのが本当にうれしい。

Q.趣味や休日の過ごし方を教えてください。

新幹線から見る静岡の景色はノスタルジーで旅情を誘います。コロナが収束したら熱海などをゆっくり旅行したいですね。休日は目的地を決めず、ナビを切ってひたすらドライブします。行ったことのない道を通ることが好奇心を満たしてくれるんです。人生にナビはないですしね。

PROFILE

1990年生まれ。2006年にバンドネオンの世界的権威ネストル・マルコーニと出会い、現在まで師事する。2008年、イタリアで開催された国際ピアソラ・コンクールで日本人初、史上最年少で準優勝。
※「三浦一馬 the Trio」は10月31日(日)14:00開演。一般4,000円、小学生~高校生2,500円。問い合わせは静岡新聞社事業部 〈電:054-281-9010〉へ。

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